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社員の能力開発や学ぶ風土づくりに積極的に取り組む企業を取材しました

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興銀リース株式会社

一般職社員によるプロジェクトを発足し 女性が活躍できる風土づくりを推進

総合リース会社、興銀リースでは、女性社員が活躍できる風土の醸成をめざし、2014年から「女性活躍推進プロジェクト」をスタートしました。第1期は8名の女性一般職社員によるプロジェクト「チームSAKURA」を発足。8カ月間の活動を経て、経営陣に「女性が活躍できる企業風土醸成のための提言」を行いました。このプロジェクトについて、代表取締役専務、倉中伸氏に、活動の目的やねらい、成果などについて伺いました。(2015年8月取材)

興銀リース株式会社
会社名
興銀リース株式会社
URL
https://www.ibjl.co.jp
プロフィール
1969 年、日本興業銀行(現・みずほ銀行)が中心となって設立。製造業向けの設備機器リースを中心に発展。多様化・高度化する顧客のファイナンスニーズに応えるため、Challenge《挑戦》・Change《変革》・Create《創造》の「3つのC」をスローガンにビジネスを展開。

トップインタビュー 代表取締役専務 倉中 伸 氏

管理職を増やすのではなく 企業風土から変えていく

倉中 伸 氏
代表取締役専務

当社には従来男女としての役割分担が強く感じられるような風土がありました。近年、女性社員を中心にこういった風土に違和感を訴える声が強くなってきたことから、この状況を変えるため女性活躍推進活動への本格的な取り組みを始めることとしました。
取り組むにあたって私がこだわったのは、単に女性管理職を目指してもらうことを目的とするのではなく、女性社員がそれぞれの価値観や職業観、ライフスタイルに基づいた希望や目標に挑戦し、実現できる風土の醸成を目的にしたということです。なぜなら、いくら女性管理職を増やしても会社の風土や文化が変わらなければ、結局はうまくいかなくなることが多いと認識していたからです。
また、新しい風土づくりは、上から押し付けるのではなく、社員からのボトムアップであることが大切です。そこで社員で構成するプロジェクトチームをつくり、当社の現状について議論し、目指すべき姿を経営に提言する活動を開始しました。組織の風土づくりには時間がかかりますから、このプロジェクトは長期的な取り組みと考えています。
第1期のプロジェクトメンバー8人全員を一般職にしたのは、男女別の役割分担という風土が一番顕著に表れていたからです。例えば職場の冷蔵庫の掃除、コピー機の紙の補充、シュレッダーのごみ捨てなどは一般職の女性がやるのが当然と思われていました。果たしてこれらの仕事は本当に一般職女性だけがすることなのか、まずはこんな身近な問題の見直しから議論を始めてもらいました。

提言内容は素晴らしく 短期間で成長した姿に感動

プロジェクトは通常業務との兼職だったので、職場の協力が不可欠です。そこで、プロジェクトメンバーには正式な人事発令や任命式を行い、その存在を社内に周知しました。また、彼女たちの上司にはフルサポートをお願いし、プロジェクトの活動を各人のMBOの目標項目として明記してもらうようにしました。
任命されたメンバーたちは、最初は戸惑いや「やらされ感」が強かったと思います。運営は自主性に任せていましたが、キックオフから2か月ほどたったころ、彼女たちが少し方向性を見失ったことがありました。その時はメンバー全員とランチをとりながらじっくりと話し合い、悩みを聞きながら方向性についてすり合わせを行いました。
その後、JMAMのコンサルタントである角先生による指導や企業訪問などの活動を通じて、徐々に主体的な取り組みへと成長していったと思います。
キックオフから8か月後に、活動の集大成として、当社経営陣に対し当社の現状分析と課題解決策の提案を発表する場を設けました。彼女たちにとってこういった発表は初めての経験だったにもかかわらず、プレゼンも提言内容も大変素晴らしく、短期間でここまで成長した姿を見て本当に感動しました。社長をはじめ役員の評判も高く、提言内容は経営マターとして直ちに関係部門に割り振られ、具体化が進められています。
また、プロジェクトの活動状況はイントラネットにニューズレター形式で定期的に発信していましたので、これを読んだ男女問わず多くの社員から前向きな意見や情報がたくさん寄せられました。このように、彼女たちの活動を通じて社内の雰囲気が少しずつ変わり始めていることを感じています。

第2期は男女総合職も 交えたプロジェクトに

JMAMさんにはプロジェクト全般をサポートしていただきました。特に角先生には、ファシリテーターやレクチャーの講師のほか、個々のメンバーのメンタリングにまで踏み込んでいただき、熱心に対応していただいたことがプロジェクト後半における彼女たちの急速な成長につながったと思います。
プロジェクトの第2期は、第1期から2人が続投し、そのほかは男女総合職で構成するメンバーでスタートしています。私からは、今度は女性総合職が働きやすい職場にするにはどうしたらいいかについて検討してはどうかと提案しています。
今後もプロジェクトを通じて女性が活躍できる環境を着実に整備し、女性社員が自発的に様々なことに「挑戦したい」と思えるような会社にしていきたいと考えています。

プロジェクトメンバーの声

意見を述べやすい 雰囲気をつくる

推進リーダー
三浦 佳奈 氏

推進リーダー 三浦 佳奈 氏
任命された時は嬉しかったです。というのも、私は所属する管理部門で総合職と一般職の仕事の境界が曖昧なことに疑問を感じ、自ら職場調査をした経験があったからです。また、当社で最初に産休を取得しており、初めてのことをやるのも好きです。女性たちと1つのことをやり遂げるということにワクワクしましたし、この活動を通じて後輩たちが働きやすい土台をつくりたいと思いました。
始まってみると、職場も世代も思いもバラバラなメンバーをチームにまとめるのは大変で、初めは正直「先が思いやられるな」と感じました。特に、若いメンバーはなかなか意見を言わなかったので、角先生のアドバイスもあり、社歴の浅い順に意見を聞くようにしました。すると、次第に「意見を言ってもいいんだ」という雰囲気が生まれ、表情が生き生きとしてきて、自発的に意見を述べてくれるようになりました。

「この会社はきっと変われる」 と実感

普段は指示を受けて仕事をすることが多い私たちにとって、プロジェクトの活動は初めてのことばかりで大変でしたが、やっていくうちに「私たち、こんなことができるんだ」とたくさんの気づきを得ることができました。「企業訪問」をしたある会社では、話が盛り上がり、お昼をご一緒したり、私たちの活動に関心を持ってくださるなど、とても刺激的な体験をしました。最後に役員を前に、メンバー全員が顔を上げて堂々と提言を発表できたことは、大きな成果であり、得難い経験でした。
活動の定期報告をイントラネットにアップしてきましたが、たくさんの人が読んでくれていることがわかり、とても励みになりました。また、発表会の後には役員や社員の皆さんから激励のメッセージを頂き、「この会社はきっと変われる」と実感しました。今までは変わるきっかけがなかっただけだと思います。第2期もメンバーの一員として、引き続き頑張ります。

女性活躍推進プロジェクトチーム
SAKURA
S=Success(活躍・成功)
A=Attractive(輝く)
K=KLC(興銀リース)
U=Universal(全体)
R=Revolution(改革・革新)
A=Advance(前進・高み)

自分の中に「熱い部分」が あったことを発見

推進サブリーダー
山下 由起子 氏

推進サブリーダー 山下 由起子 氏
この活動で社員の生の声を聞いて、一般職の中に優秀な方がたくさんいることを知りました。今の会社の状況は、そういう人たちの芽をつぶしているのではないかと感じた時、この活動が「自分ごと」になったように思います。通常業務ではルーティンワークが多いので、この活動で、苦しいほど考えに考えた体験ができたことはプラスでした。最後の発表は、ほぼ完璧にできて、苦労した分、達成感を味わえました。終わった時「ここで終わりたくない」という気持ちが高ぶってきて、自分の中に「熱い部分」があったことを発見しました。

一般職が役員に 提言できたことが うれしかった

推進サブリーダー
重永 幸恵 氏

推進サブリーダー 重永 幸恵 氏
過去の女性活躍の取り組みがうまくいっていなかったので、任命された時、周囲からは「大変ですね」とネガティブに捉えられました。それだけに、どうすればうまくできるかを考えました。意識したのは、みんなが意見を言いやすい雰囲気づくりでした。みんなで話し合えば、誤った方向に進むことはないと思ったからです。
一般職から役員への提言は、当社ではこれまでほとんどなかったことであり、それが実現できてうれしかったです。活動を通じて視野が広がったので、多くの社員にこうした機会が与えられるといいと思います。

社員の皆さんの 話を聞き問題の存在に 気づいた

小野 真名美 氏

小野 真名美 氏
会社に対して特に問題意識を持たずに過ごしてきたので、選ばれた時は正直、「なんで私なのだろう」と思いました。最初は気が進まないところもありましたが、社員の皆さんからいろいろな話を聞いているうちに、会社の問題点と、それを問題だと思っていない人が多いという問題も見えてきて、いつしか、それを解決したいという気持ちに変わりました。正解のないテーマについて、自分たちでゼロから考えて形にしていくことは、とても面白い経験でした。通常の業務でも、この経験が活かせる機会があればと思います。

自分で考え、 行動できる人を 増やしたい

小峯 直子 氏

小峯 直子 氏
最も成長を感じたのは、最後の経営陣への発表の時です。プレゼンに向け、何度も練習をしたので、本番は少しワクワクしていたのですが、緊張したのはその後の質疑応答でした。以前の自分なら何も言えなかったと思いますが、プロジェクトの活動を通じて自分自身の経験や思いを交えながら、落ち着いて回答することができました。第2期からは人事部でプロジェクトの事務局を務めますが、私たちの経験を私たちの成長だけに終わらせず、もっと社内に広めて、自分で考え、行動できる人を増やす環境を構築していきたいと思います。

いつも受け身だった 姿勢が能動的に 変わった

武井 泰子 氏

武井 泰子 氏
入社以来、上の方の意見に従って仕事をしてきたので、受け身の姿勢が身につき、自分から意見を述べることはあまりありませんでした。この活動では自分の意見を言うことが常に求められ、最初はうまく言えずモヤモヤしましたが、次第に意見を言うことが怖くなくなりました。また、女性の活躍について深く知るにつれ「やはりやるべきことなんだ」と意識が変わり、言いたいことも増えました。今は、この活動を「もっとやりたい」という気持ちです。この能動的な姿勢を今後も維持して、少しずつでも社内に変化を起こせればと思います。

社内で声をかけられ 応援されていると 実感

増成 仁美 氏

増成 仁美 氏
プロジェクトを通じて、これまで経験のないほど、たくさんの人の意見を聞きました。その結果、自分の考え方も柔軟になり、自分とは全く異なる意見でも受け入れられるようになりました。普段、管理部門に所属していますが、営業部店から何か意見を言われた時でも、相手の立場に立って冷静に考えられるようになりました。
ある時、社内であまり面識のない年上の男性社員からいきなり声をかけられ「僕は女性が活躍するためには、こうした方がいいと思うんだ」と提案された時はびっくりしましたが、社内から応援されていることがわかり、嬉しかったです。

自分の意見を 言ってもいいとわかり 積極的になれた

湯浅 まどか 氏

湯浅 まどか 氏
日常業務では、いつも先輩に従ってやってきて、自分の意見を言う必要もなかったので、この活動も最初は「先輩方についていけばいいや」と消極的でした。しかし、自分の意見を言っていい、言えば聞いてくれるとわかり、少しずつ積極的になれました。ゼロから自分たちで考えて形にすることは、日常業務にはない初めての体験で、とにかく大変でした。でも、そのおかげで、普段からよく考える習慣が身につきました。また、プロジェクトに時間を割くために、業務効率をさらに考えるようにもなり、成長実感が得られたプロジェクトでした。

コンサルタントの視点 パートナー・コンサルタント 角 幸子

ゴールに導くための 3 つの工夫

角 幸子
JMAM パートナー・コンサルタント

興銀リース様の「女性活躍推進プロジェクト」で工夫したことが3点あります。
1点目は、プロジェクトの目的、めざす姿を共有すること。方向性がぶれないよう、多くの時間を取り、しつこいくらいディスカッションをしてもらいました。
2点目は、プロジェクトを進めるために必要な知識を付与すること。メンバーの皆さんは定型的な業務が多く、プロジェクト活動は初めての方がほとんどだったため、必要な講義をその都度行い、学びながら活動を進める方法を採りました。
3点目は、メンバーのメンタリングです。日常業務との兼任のため、皆さんはかなり頑張って活動していました。また、活動を通して自分の将来像を前向きに描き直す方もいました。そこで精神的サポートやキャリアカウンセリングをするために個別、またはペアでメンタリング面談をしました。

女性の能力の高さを 知る機会に

スタート時は、会社の本気度を示すために、経営トップとの話し合いの場を設け、メンバーとの信頼構築に努めました。その後、社内にプロジェクト活動状況を発信し、社員から応援や賛同の声をもらうようになりました。中盤からは、他社訪問により、視野を広げるようにしました。訪問先で格段に進んでいる女性活躍の状況を目の当たりにしたり、逆に活動を褒められたりしました。それが、刺激になり、社内の慣習を見直したり、自分たちの活動に自信を持つきっかけになりました。
このプロジェクトの支援を通して、強く感じたことは、「役割や仕事が女性を育てる」ということです。このプロジェクトの場合、経験もなく「やらされ感」さえあるメンバーもいたのですが、最後に経営陣に提言するという「やるっきゃない」状況に置かれたことで、わずか8カ月間で会社への提言を立派にまとめ、役員の前で堂々と発表するまでに成長を遂げました。
最後の発表会は、メンバーにとっては今まで気づきもしなかった自分自身の力と可能性を発見し、また経営陣にとっては女性社員の潜在能力の高さを知る機会となり、ひいては意識を変える契機になりました。

プロジェクトの全体像(8 カ月間)

※掲載内容やご登場いただいた方の役職は取材当時のものです

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